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■交通事故の後遺障害

Aさん(40歳代)のご相談でした。「交通事故で左腕に障害がのこりました。身体障害者手帳は3級第2種 左上肢機能の著しい障害です。障害基礎年金は受給できないものでしょうか」というご相談でした。

Aさんは、左手が全廃で使用できないことから、「一上肢の機能に著しい障害を有するもの」と認定され、障害基礎年金の2級の年金が支給決定となりました。

【 事例から学ぶこと 】

第三者行為事故による年金の裁定請求の場合、被害を受けた人は、加害者である第三者に対し、損害賠償の請求を行うことができるので、同一の事由により年金の受給権も発生した場合、二重の生活保障をうけることになります。そこで、その調整方法として、被害を受けた被保険者が損害賠償金(自賠責保険等を含む)を受けた時は、最長24ヶ月(船員保険は36月)の支給停止を行うことになっています。第三者行為事故による年金の裁定請求の場合、以下の書類の提出が必要になります。

  (1)第三者行為事故状況届

  (2)交通事故証明書または当該事故(年月日)が確認できる書類

  (3)念書(保険給付の免責を希望する念書)

  (4)示談書等受領が分かる書類

  (5)賠償額の内訳の基礎となる領収書の写し(治療費、雑費など)


■半側ジストニア

Aさん(30歳代)のご相談でした。「5歳のときに脳炎が原因でジストニアになり、右上下肢に障害があります。障害年金は受給できるでしょうか。」既に診断書を取っておられたことから、電話口で内容を読み上げてもらったところ、まず障害基礎年金2級は間違いないと確信が持てましたのでそのようにお伝えしました。「初診証明が取れないことが問題である」とのご本人様のお話でしたが、ご家族にも協力していただき、いろいろと探してみると、過去の古い診察券や過去の古い診断書や、身体障害者手帳発行時の診断書など明らかに、20歳前の障害であることの立証ができる状態でしたので、手続きをすることができました。20歳のときの診断書も大学病院にカルテが残っており、20歳の誕生月に受給権発生の年金証書が届きました。

【 事例から学ぶこと 】

初診の証明が取れない場合でも、過去の古い診察券や過去の古い診断書や、身体障害者手帳発行時の診断書などは、客観的に初診日を証明する資料として有効です。


■ギランバレー症候群

Aさん(40歳代)のご相談でした。「ギランバレー症候群を発病し、突然、四肢麻痺になり呼吸が困難になりました。その後少しずつ回復しましたが、手指や肢体に麻痺が残っています。障害年金を受給できますか」というご相談でした。ギランバレー症候群の障害年金の認定は、「肢体の機能障害」となります。日常生活動作の多くが「一人で全くできない」か「一人でできるが非常に不自由」に該当されていました。裁定請求後、Aさんに障害厚生年金2級15号の年金証書が届きした。

【 事例から学ぶこと 】

障害年金を請求する前には診断書のチェックが必要です。主なチェックポイントを下記に挙げます。

・傷病の発生年月日と初めて医師の診療を受けた日のところで、「本人の申立て」に○が付されている場合は(   )にその申立て年月日が記載されていること。

・「障害の状態(平成 年 月 日)現症」は、いつの時点の障害の状態であるかの判断をする上で重要な項目ですのでもれがないかどうかをよくチェックしてください。

・「関節可動域」障害が右のみ、又は左のみであっても、健側についても記載もれがないかどうか

・「現症時の日常生活活動能力及び労働能力」は必ず記載されていること

・「予後」必ず記載されていること


■平山病

Aさん(30歳代)のご相談でした。「仕事中、突然右腕に力が入らなくなって、だらんとした感じになり、箸を使うこともできなくなりました。検査の結果、平山病だと診断されました。半年後、症状固定で、身体障害者手帳は2級(右上肢の機能を全廃したもの)となりました。年金の請求をお願いしたいのですが。」というご相談でした。Aさんの被保険者記録を照会すると、20歳以降、現在まで、1ヶ月の厚生年金の被保険者期間がある以外は、すべて国民年金でした。未納はありません。国民年金での請求になるか、厚生年金での請求になるかは、初診日において、いずれの年金制度に加入していたかにより決まります。1ヶ月の厚生年金の被保険者期間は、「5月1日資格取得、5月30日資格喪失(つまり5月29日退職)」となっていました。 初診のA病院には、5月29日つまり退職日に、行っておられました。これにより、障害厚生年金の支給が決定しました。

【 事例から学ぶこと 】

厚生年金加入中の人が病気等で退職する場合は、退職日以前に病院にかかっていれば、厚生年金被保険者であるときに初診日があるという判断になります。その場合、「障害厚生年金」で請求ができます。障害厚生年金は障害基礎年金よりも年金額が多く保障が手厚いのです。たった1日の受診がその後の障害年金の保障額を分けた事例でした。

   


■頚椎後縦靭帯骨化症

Aさん(50歳代)の奥様からのご相談でした。「主人が頚椎後縦靭帯骨化症(OPLL)で、歩行障害、知覚障害、麻痺などがあり、手指の細かい動きができずまた、排尿障害もあります。障害年金は受給できないでしょうか。」というご相談でした。約8年前から両手の痺れや頚部痛があったものの日常生活に支障をきたすほどではなく経過観察をされていたところ、2年前に四肢痙性麻痺がきつくなり、障害年金請求を決意されました。日常生活動作は大半の動作が「一人でできるが非常に不自由」ということでした。後日、障害厚生年金2級が支給決定されました。

【 事例から学ぶこと 】

頚椎後縦靭帯骨化症(OPLL)の障害年金請求は、肢体の診断書で請求します。
参考までに障害認定基準は次のようになっています。


(1) 肢体の機能の障害は、原則として、本節「第1 上肢の障害」、「第2 下肢の障害」及び「第3 体幹・脊柱の機能の障害」に示した認定要項に基づいて認定を行うが、脳卒中等の脳の器質障害、脊髄損傷等の脊髄の器質障害、多発性関節リウマチ、進行性筋ジストロフィー等の多発性障害の場合には、関節個々の機能による認定によらず、関節可動域、筋力、日常生活等の身体機能を総合的に認定する。

(2)肢体の機能障害の程度は、運動可動域のみでなく、筋力、運動の巧緻性、速度、耐久性及び日常生活動作の状態から総合的に認定を行う。