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■ミトコンドリア脳筋症(肢体)

Aさん(40歳代)のご相談です。5年前にも一度ご自身で障害基礎年金の請求をされておられましたが、障害等給付該当ということで不支給という結果でした。そこで、今回のご依頼になったのです。

ミトコンドリア病は、細胞の中で生きるためのエネルギーを作り出しているミトコンドリアに障害がある病気です。脳卒中、糖尿病、下痢などのごくありふれた病気の中にもミトコンドリア病が隠れていたのです。どんな細胞にもミトコンドリアは存在しているので、どの細胞や組織に異常がおこるかで、いろいろな症状がでてきます。

Aさんの場合は、筋力低下、易疲労性、下痢、視力低下などでした。主に、肢体の機能障害と視力障害がありましたので、二つの診断書で請求したところ、障害基礎年金の2級に該当することができました。

【 事例から学ぶこと 】

障害が二つ以上ある場合は、それぞれについて「病歴就労状況等申立書」を記入することが必要です。


■両大腿骨骨頭壊死

Aさん(30歳代)のご相談でした。「原田氏病の治療でステロイドの投薬後、しばらくして両大腿骨骨頭壊死になりました。その後しだいに、症状が悪化し、発病後約4年経過して左右の人工骨頭置換術を受けました。障害年金は受給できるでしょうか」というご相談でした。Aさんの場合のように、ステロイドの投薬による副作用で大腿骨骨頭壊死が生じたと判断される場合は、相当因果関係があると見て、前後の傷病は同一傷病として取り扱われます。後日届いた年金証書でこの点を確認したところ、Aさんの障害厚生年金の初診日は、両大腿骨骨頭壊死の初診日ではなく、原田氏病で最初に病院にかかった日が初診日と判断されていました。障害認定基準では、人工骨頭又は人工関節をそう入う置換したものについては、原則として次のように取り扱われています。

一下肢の3大関節のうち、1関節又は2関節に人工骨頭又は人工関節をそう入う置換したもの又は両下肢の3大関節のうち、1関節にそれぞれ人工骨頭又は人工関節をそう入う置換したもの3級と認定するが、そう入置換してもなお「一下肢の用を全く廃したもの」程度以上に該当するときは、さらに上位等級に認定する。

今回の年金請求の結果は、障害厚生年金3級です。請求のタイプは事後重症。診断書の種類 1 次回診断書提出年月 ××年××日 となっており、永久認定であったことを意味していました。

【 事例から学ぶこと 】

相当因果関係とは、前の疾病がなかったならば、後の疾病が起こらなかったであろうと認められる場合は、相当因果関係ありとみて前後の傷病は同一傷病として取り扱われます。

【相当因果関係あり】
1.糖尿病と糖尿病性網膜症または糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性動脈閉塞症
2.糸球体腎炎、多発性のう胞腎、腎盂腎炎と、慢性腎不全
3.肝炎と肝硬変

【相当因果関係なし】
1.高血圧と脳内出血または脳梗塞
2.近視と黄班部変性、網膜剥離または視神経萎縮


■両変形性股関節症

Aさん(40歳代)のご相談です。両変形性股関節症で初診日は厚生年金加入中でした。その3年後右股関節に人工骨頭置換手術をうけられていました。身体障害者手帳は4級。

ご相談は、「身体障害者手帳が4級でも障害厚生年金は受給できるか」というものでした。
身体障害者手帳と年金の障害等級には往々にして誤解があるようです。障害等級の認定基準が同じではないのです。例外はありますが、おおむね、身体障害者手帳の2級以上が年金の1級、身体障害者手帳の3級が年金の2級に該当するという関係にあるようです。

障害認定日とは、「原則として疾病にかかり、または負傷した者が、その傷病について初めて医師の診断を受けた日から起算して1年6月を経過した日」をいいます。例外として、「1年6月以内にその傷病が治ったときはその日」を障害認定日とします。
変形性股関節症の場合、「1年6月以内に人工骨頭を挿入置換した場合」であればその日が障害認定日になるのですが、Aさんの場合は初診日から1年6月経過後に、人工骨頭を挿入置換しておられましたので、事後重症の請求となりました。

【 事例から学ぶこと 】

人工骨頭(関節)置換手術を受けておられる方は、厚生年金か共済年金加入中に初診日があれば、障害厚生(共済)年金3級を受給することができます。