■ミトコンドリア脳筋症
Aさん(50歳代)のご相談です。心臓病で、初診日は厚生年金に加入中でした。平成7年にペースペーカーを装着されていました。
「ペースメーカー心臓病」というシナリオで障害年金の手続を進めていた中で、主治医に「Aさんは心臓病ではなくミトコンドリア脳筋症ですよ」といわれたのでした。ご本人も、ミトコンドリア脳筋症であるという医師のはっきりとした診断を受けられたのは、今回はじめてだったのです。
しかし、病名が何であれ、現在の障害の状態が心臓に負担を与え日常生活を著しく制限を加えていると言うことには違いありませんでした。この場合、病名がミトコンドリア脳筋症であっても診断書は循環器疾患のものになります。
Aさんは、古い資料を全て整理保存されておられ、初診のときの診察券もありました。もし、初診日が客観的に証明できる資料がなければ年金受給には結びつかなかったと思います。障害厚生年金の2級が決定となりました。
※ミトコンドリア脳筋症とは、人の全ての細胞に存在しているミトコンドリアは、細胞のエネルギーを作る仕事をしています。何らかの原因でミトコンドリアの働きが悪くなると全身のあちこちにいろいろな障害が出てきます。特にエネルギーをたくさん使うので影響が大きく、障害が現れやすいのが脳と筋肉なのでミトコンドリア脳筋症といいます。
【 事例から学ぶこと 】
古い診察券も捨てずにおいておくことが初診を証明する手がかりになります。
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■拡張型心筋症(うっ血性心不全)
Aさん(50歳代)のご相談です。
眼の病気で手術前の検査をしていたときに、心臓肥大(拡張型心筋症)であることがわかったのでした。このときはまだ、会社に勤務されていて在職中でしたので、厚生年金で加入中の初診日です。
動悸、息切れ、疲労感、集中力の減退、立ちくらみ、階段の上り下りも苦痛になってきていたAさんは、これ以上の仕事の継続が困難となり退職されたのでした。2年前に急性心不全を起こされたり、現在も診断書の一般状態区分表の「歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが日中の50%以上は起居しているもの」に該当するという医師の診断でした。手続きの結果、障害厚生年金2級の年金が支給されることになりました。
【 事例から学ぶこと 】
拡張型心筋症の障害等級の認定にあたっては、左室駆動率(EF)のデータと一般状態区分表が目安になります。
<1級> 左室駆出率が30%以下で身の回りの事もできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲が概ねベッド周辺に限られるもの
<2級> 左室駆出率が40%以下で身の回りのある程度の事はできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
<3級> 左室駆出率が50%以下で歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
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■大動脈弁閉鎖不全症
Aさん(20歳代)のご相談です。「感染性心内膜炎で大動脈弁閉鎖不全となり、人工弁置換手術をしたので、障害厚生年金を請求しましたが、障害等級不該当という不支給通知が届きました。」ということでした。
厚生年金加入で、人工弁の置換手術をすれば無条件に3級のはずなので、何かの間違いであると思いましたが早速、審査請求しました。結果は取り下げとなり、Aさんの申立ては認められました。
【 事例から学ぶこと 】
不支給になる理由には、いろいろな理由があります。申立書の書き方で、本来の障害の状態が伝わらなかったりする場合もあります。大切なことは、裁定請求をするときにしっかりと申立書を書くこと。医師の診断書の内容もよく確認することです。
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■梗塞後狭心症
Aさん(30歳代)からの手続代行の依頼でした。約18年前、狭心症でバイパス手術を実施した後、10年以上の社会的治癒があった後、約5年前に狭心症が再発し、再度バイパス手術を受けられ現在に至っているというお話でした。
手続を進め医師の診断書をとったところ、現在は軽微な日常生活にも心不全をきたすため、日常生活に著しい制限をきたしており、労働は全くできない。という診断でした。
ご自身の申立でも、炊事や掃除などの軽微な家事もつらく息切れと胸痛で動けなくなるということでした。
障害厚生年金を請求した結果、2級に認定されました。
【 事例から学ぶこと 】
心臓病で2級という決定は、当事務所の経験でもめったにありませんが、心臓病は診断書次第なのです。
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■心室細動
Aさん(40歳代)からのご相談でした。心室細動で、自宅で突然意識を失い、心停止となったということでした。救急車を待つ間に、家族が心配蘇生術をされていたことが幸いし、救急車の中で除細動に成功されたということでした。15分の心停止があったので、大脳に酸素がいかず、脳死か植物状態であろうと医師に宣告されたその後4日後に意識不明の危機から奇跡的に回復され、除細動器(ICD)植込み手術をし、約1ヶ月で退院後、現在 職場復帰されています。厚生年金加入中でしたので、除細動器(ICD)植込みを行った時点を障害認定日とし、障害認定月の翌月から、障害厚生年金3級が支給されました。
【 事例から学ぶこと 】
除細動器(ICD)植込みは、障害等級3級です。(術後の経過、予後、原疾患の性質により総合的に判断し上位等級に認定することもあります。)また、初診日から1年6ヶ月を経過しなくても、植込みを行った時点を障害認定日とする特例があります。
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■洞不全症候群
Aさん(64歳)からのご相談でした。「今から約25年前に、厚生年金加入中に、ペースメーカーを装着しています。当時、障害厚生年金を受給できるとは知りませんでした。今からでも請求できますか。」というものでした。Aさんは、60歳代前半(60歳〜65歳)の在職老齢年金は、総報酬月額相当額が高かったため、全額支給停止でした。それであれば、その間5年間の障害厚生年金を遡及請求してもメリットはあると判断しましたので、すぐに請求されることをお勧めしました。ペースメーカー装着で遡及するかどうかは、初診日から1年6ヶ月以内にペースメーカーを装着されているかどうかということもありましたが、初診日の日にペースメーカー装着ということでしたのでその点もクリアされていました。障害認定日が、初診日から1年6ヶ月以内にペースメーカーを装着したという事実についてのみ審査を希望する場合は、そのペースメーカーを装着したことを確認できる診断書であれば、直近の1枚の診断書で請求が可能です。Aさんには、旧法の障害厚生年金が遡及して支給されることになりました。
【 事例から学ぶこと 】
●ペースメーカー装着は、障害等級3級です。(術後の経過、予後、原疾患の性質により総合的に判断し上位等級に認定することもあります。)また、初診日から1年6ヶ月を経過していないときにペースメーカーを装着している場合は、装着した時点を障害認定日とする特例があります。
●遡及請求ができるのは障害認定日の特例のときだけです。
●60歳〜65歳未満の人は、特別支給の老齢厚生年金や在職老齢年金を受給している場合は、障害厚生年金とはいずれか多い方の、選択受給になります。
●65歳以降は、「老齢厚生年金+老齢基礎年金」か「障害厚生年金3級」かの選択になります。
●65歳以降、もし「障害厚生年金2級+障害基礎年金2級」の受給権を有しているときは、以下のうちのいずれか一番多いものを選択受給します。
(1)老齢厚生年金+老齢基礎年金
(2)障害厚生年金2級+障害基礎年金2級
(3)老齢厚生年金++障害基礎年金2級
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■慢性心不全
Aさん(40歳代)からのご相談でした。「会社の健康診断で多発性心室性期外収縮で再検査の指示を受け、精密検査をしたところ、慢性心不全と診断されました。現在も就労中ですが、定時退社でデスクワークのみです。障害厚生年金が受給できるでしょうか。」循環器疾患で障害年金請求ということでした。就労中であることや、また、特にペースメーカーを入れておられるわけでもなかったのでので障害厚生年金3級の受給の可能性は厳しいと思われました。(*ご注意:この事例は障害厚生年金の請求のケースですので「3級」があります。もし国民年金の方は、「1.2級」しかありませんので、同じ症例の方であっても障害基礎年金の請求では受給権の取得は極めて難しいと思われます。)しかしながら、出来上がってきた診断書では、かなり多くの臨床所見で「有」となっており、辛うじて就労可能というものの、労働に著しい制限を加えることを必要とするということが、あらゆる点で明白な診断内容となっていました。病歴就労状況等申立書も診断書の内容を十分に裏付けるものに仕上がりました。後日 無事 障害厚生年金3級の年金証書が届きました。
【 事例から学ぶこと 】
心疾患による障害の程度は、呼吸困難、心悸亢進、尿量減少、夜間多尿、チアノーゼ、浮腫等の臨床症状、X線、心電図等の検査成績、一般状態、治療及び病状の経過等により総合的に判断されます。
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